Oracle v.s. Google訴訟のGoogleの対応が微妙すぎる件

OracleGoogleに対して行った訴訟、AndroidでのJavaの特許や著作権侵害を争う訴訟の裁判が始まっています。まず、裁判の様子は下記で報じられています。



Oracle vs Google 裁判で注目される Java API

http://www.infoq.com/jp/news/2012/04/oracle-vs-google-week1


こちらの記事でもあるように、Oracleの主張とGoogleの主張はそれぞれ、



Oracle

http://www.oracle.com/us/corporate/features/opening-slides-1592541.pdf


Google

http://www.groklaw.net/pdf3/OraGoogle-Trial-GoogleOpeningStills.pdf


にまとめらています。



Java(を動作させる環境)を提供する場合にSunからのライセンスが必要なことはJavaの技術屋だったら誰でも知ってたわけで、ましてやSunから技術者を引っこ抜いていたGoogleが知らないはずがありません。Oracleの資料は丁寧でわかりやすいだけでなく、丹念にGoogle経営層やAndroidの開発責任者がライセンスが必要と知っていたことを明らかにしています。(少なくとも個人的にはそう思います。)



これに対するGoogleの対応は微妙すぎます(と個人的には感じています)。SunからGoogleへ移ったLindholm氏はwe need to negotiate a license for Javaと、Javaライセンス交渉が必要としたメールを書いたことを法廷で認めながら、それは誰かからのライセンスだと特定されたものではない、誤解だと斜め上に展開中です。(Sun以外にJavaでライセンスするっていったい誰なんでしょう)また、Googleは本人が法廷でメールの存在を認めたにもかかわらず、Lindholm氏のメールを裁判の証拠から除くよう主張しています。本人が認めたのに除くって、何なんでしょう。



また経営トップのPage氏も微妙な対応だったと思います。



>また,Oracle が立件に使用した Google 社内資料については,見覚えがないと語ったという。


といった次第でメールがデッチあげだと反論するわけでもなく、記憶にございません戦法を使っています。確かにメールのToにも入ったりしてますから、存在しないと否定するのは無理かもしれません。そういうのは理解します。ただ、このような証拠から除け、見覚えない、誤解だなどは裁判のテクニックとしては有効かとは思いますが、Oracleに対する直接の反論にはなってないように思えます。



Oracle資料を見る限り、個人的にはライセンスしなければいけないと知っていたで良いじゃないかと思うのです。法廷というジャングルで勝ったところで、たとえ無罪判決を得たところで、かえって黒々しくなってませんか?どうなんでしょう?



Javaの父、GoslingはSunを買収したOracleをやめて、Googleに引き抜かれましたが、そのGoogleも退社しました。願わくは彼のもとで、もう一度、牧歌的なJavaを取り戻して欲しいものです。あの時代は単なる幻想で、もう叶わぬ夢なのかもしれませんが。。。